八卦掌FAQ


Q1 八卦掌を練習するうえで最も難しいことはなんでしょうか。

  八卦掌は一人一派と言われるほど、人により、異なったものです。ですが、八卦掌は八卦掌と言えますし、武術はそもそもどんな門派も一緒で、相手が倒れさえすればいいので、八卦掌は他の門派と同じ武術とも言えます。
 要するに、大事なのは本質を掴むことであって、外見を追うことではありません。そのこと八卦掌は前面に出しているのが特徴かもしれません。ですので、本当に八卦掌を理解したとしたら、形は師とは同じにはなりません。そういうことを理解することが日本人はまず難しいです。




Q2 秘伝とかはあるのでしょうか

 日本人は秘伝と言う言葉が好きですが、そういうものはあると言えばあるし、ないと言えばないです。
何かを教わって、ただちにすごいことができるようになる。それは人間なら一部の天才(実際そんな人は聞いたことがない。)を除いてありえないことで、そういうものは存在しません。
 老師が指導したことをきちんと会得したら、秘伝を知ったということになるのでしょうし、そうでなければ秘伝を知らないということになるのだと思います。
 中国ではどちらかと言うと個別指導が主体ですので、特別に指導を受けたということを持って、秘伝を授かったとかいうことがあるのでしょう。個々人の個性の違いに応じて指導法が変わるのは当然のことで、別にそれは本来秘密でも何でもありません。
 かって、代表が関係者に秘伝はあるのかと聞いたところ、こういう答えをもらいました。「もし、そういうものがあるとしたら、みんな毎日こんなに一生懸命練習しているだろうか。」
 身につけられるかどうか、そういうことでしょう。そういう意味では秘伝は存在します。

 
Q3 フルコンと中国武術どっちが強い

 これは、その人の資質によります。プロとしてフルコンをやっている人は、中国武術ををやっている人の大半の人より当然強いでしょう。本来、同じ人が、フルコンと中国武術をやってどちらのが効果があったかを本来は考えなくてはなりません。人の向き不向きにもよるでしょう。そもそも、ある武術をやったからと言って、世界一無敵になるなどというのは基本的に困難ですし、そこを目指すことにどれだけの意味があるのかも考えなくてはなりません・
 ただ、吉田代表は、そう言うことをさておいても、中国武術は素晴らしい。その素晴らしさを伝えたいと考え、本会を設立しました。
 世界一を目指すような方は当会の対象ではないでしょう。本家の武術家を紹介することもできます。




Q4 女性でも八卦掌をやることは可能でしょうか。

 一般的に言って、女性が男勝りの実力を得ることは極めて困難です。骨盤の構造の違いも大きいと思います。無敵の女剣士みたいのは、実際は映画の中の話で、中国でもそもそも女性はあまり武術をやりません。ですが、中国で八卦掌をやっている女性の実力は相当のものがあり、小柄な女性でも心得のない男性など簡単にふっとばしてしまいます。
 良く、八卦掌は女性のやるような柔の武術と言われることがありますが、本来は違います。表演を中心とした武術が盛んになってきた中国の近代化の中で生じた現象で、本来、八卦掌はどちらかと言うと剛の武術です。日本の合気道も、本来創始者は怪力の持ち主であったそうで、イメージ的には同じです。
 ただ、少なくとも、女性だからやれないと言うことはありませんし、日本の治安が悪化する中で、武術の心得があって損することはないでしょう。


Q5 私は主に健康増進の目的で八卦掌をやってみたいのですが、動機が不純でしょうか

 有名な漫画、拳児で劉月狭老師が以下のように言うシーンがあります。、「では、君は一体どこまで強くなったら満足するのかね。名人と言われた武術家も皆年老いて死んでゆく。私も例外ではない。そもそも人は一体何のために武術を学ぶのだろうか。」
 中国大陸では事情は少し違うかもしれませんが、日本に住んでいる限り、このような問いかけからは無縁ではいられないと思われます。そもそも今の時代、本当に戦いを求める人は武術などやらずに、兵器を持って、外人部隊入隊を目指すのではないかと思います。武術の達人ももちろん銃にはかないません。それは否定できません。武術だけを目的にして練習をするのは今の時代にはそぐわないと言えるでしょう。
 ですが、東京八卦掌研究会では第一目的を武術としています。健康増進は副次的目的です。そのことをご理解ください。 
 八卦掌は足腰を非常に使います。ですので、老いを防ぐと言うことで、八卦掌をやっている人には長命で健康な人が多い特徴があります。



Q6 年齢は関係しますか。
 
 一般的に言って、何かを始めるには若ければ若い方がいいと思います。八卦掌も例外ではありません。しかし、何かを始めるのに年齢を考えても仕方がありません。時は逆には動かせないのです。現役の中国武術の関係者にも高齢でも若い者を寄せ付けない実力の人が現実に存在しています。そのことからしても、年齢が行ったからできないと言うことはないと思います。極めるために残された時間が若い人よりも短いということだと思います。現実、中国でも若い人は伝統武術をやらず、熱心にやるのは中高年が多いです。これはどうも世界的な傾向のようです。年齢が行ってもやっていくことができるというのは、この手の東洋の文化の偉大さでしょう。


Q7 東京八卦掌研究会ではどういうふうに八卦掌を練習しているのでしょうか。特徴はありますが。

 基本的に中国流で練習を行います。中国流とは、基本的に精神論を排除することです。中国では、一生懸命やったからできるようになるという考えはあまりありません。内家拳は頭脳の拳法と呼ばれているように、頭脳を動かして、自分の動きを精密に制御してゆくことが求められます。すべて具体的です。逆に厳しいことですが、大事なのは具体的な結果であって、一生懸命やったかではありません。一生懸命やればできるようになると言う発想はないのです。やれば、やっただけの効果があるとは限らないのです。ただ立っていれば自ずとわかるとか、そういう発想もありませせん。絶えず、自分を見つめ直し、目的に向かって邁進し、雲をつかむような話を現実にしてゆく、そういう主体性が求められるのが、中国のいわゆる内家拳の練習なのです。厳しい中国の社会を反映したものと言えるでしょう。
 自らに甘い人には向いていません。逆に、何かを強制されるということもありません。人に強制されて何かができるということはないからです。そのため、運動会系の団体にたまにみられる封建的なところも生じようもありません。
 現在、日本語を母国語としない会員もいますので、言語は中国語も使用しています。練習は中国的な面が日本の中では強いのが当会の特徴でしょう。



Q8 面談ではどういうことが行われるのです。
 
 中国武術は残念ながら日本人が簡単にやれるものではありません。この世界を長いこと関わってきた、吉田代表はそのことを一番良く知っています。そういうことを理解しないで、入門されると結局は、短期であきらめてしまうと言う結果になります。それだけなら良いのですが、他の場所で事実と異なることを風評されると言うことも少なくありません。そういうことを避けるため、まず中国武術とは何かを理解してもらうためにまず面談を行い、当会の特徴を理解して頂きます。吉田代表は現在職業として武術を教えているわけではありませんので、熱意のない者に教えるなとと言う無意味なことを避けたいとのことです。日本人には基本的には出来ないというのが吉田代表の感想だそうです。
 その後、希望者には見学を考慮します。仮に入会を希望する場合は、少なくとも当会以外の複数の武術団体を見学して後となります。まず自分自身で適性を探して下さい。当会以外の方が向いている場合は多々あります。

 



Q9 中国武術をやるには、天性の素質が必要でしょうか。

 吉田代表の老師はこのことに関して、きっぱりと言いました。武術は技術なのであり、天性の素質に基づくものではない。
 吉田代表は長らくそのことに疑問を持っていましたが、年齢を重ねるに従い老師の言うとおりだと思うようになってきたそうです。そもそも天性の素質に恵まれている人は武術などやらなくて良いのです。素質がないからこそ武術を練習するのです。古来名人の逸話は事欠きませんが、きまって皆幼少のころ、体が弱かったと言います。日本の合気道の達人においても体格に恵まれていない人が少なくありません。だからこそ、すぐれた技術が生まれたとも言えるのかもしれません。
 しかし、そのような技術であるからこそ、それを継承するには熱意・努力が必要です。ただ、日本人は中国人に比べてそれが圧倒的に足りません。吉田代表はそのことがだんだんわかってきた気がするとのことです。
 自分の親から受けついだ体の能力の問題ではありません。親のせいではありません。すべて、己自身の努力の問題なのです。そういう意味では中国武術は甘えのない中国の社会を反映したまさしく中国の文化と言えるでしょう。そういう意味ではすばらしいものであると思いますし、厳しいものでもあると思います。そして具体的です。
 中国語ではそれを功夫と呼びます。これにあたる言葉が日本語にないのがすべてを物語っているように思われます。




Q10 私は中国武術に向いているでしょうか。

 向いているかどうかはやってみなければわかりません。
 ブルース・リーが言っています。
 「考えてばかりの者は、決してやることはない。少なくともゴールへ向かって一歩を踏み出せ。」
 適性の前に、意欲の方が大きいと思いますし、武術に関しては、それが歴史に裏打ちされていると言えます。
 ただ、もし、あなたがこのホームページを見て、怪しいと思ったり、逡巡するようでしたら、当会に来るかどうかは別にして、向かないと思っていいと思います。中国武術をやっても客観的には時間と費用の無駄になると思います。




Q11 最近は自治体とかで太極拳教室とかをやっていたりしますが、そういうのを見てどう思われますか。

 やるのは個人の自由ですが、あまりお勧めはしません。なぜかと言うと、それによって健康を害するおそれがあるからです。残念なことに、日本で練習されている太極拳や中国武術の形が間違っているからです。人体の生理的動きに反したことを平気でしているのがほとんどです。健康増進のために練習して健康を害する結果になりかねないのが大半で。実際、中国武術をやって、足腰の故障に悩む人が後を断ちません。日本人と中国人は生活習慣が違うので、意識して練習しないと、形が狂ってきます。武術とかもやはり各国の生活習慣に根ざしているからです。健康としてやるのであっても、そういうことを理解している人について練習することを勧めます。
 そういう人に巡り会えなければ、日本の武道をやる方が結果はいいと思います。
 






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