意拳とは

  半歩崩拳、遍く天下を打つ。かって、半歩踏みだし、拳を打つだけですべての試合を勝ち抜いた武術家がいた。
 その男の名は郭雲深。形意門の伝人である。
  その閉門弟子にあたる王向齊は、郭雲深から、形意門の要として基本的な站椿を中心とした訓練を受けた。しかし、王が郭からすべてを学びその武術が完成を見る前に郭は世を去った。
  王は、その後、郭の教えを基に各地で様々な武術を見聞しながら、自らの研鑽を続けた。そして、中国武術の伝統の套路を捨て去り、站椿を中心とした新しい武術を創始した。王の人間とも思えぬ実力に、人は王の武術を、大成した武術、大成拳と呼ぶようになった。
 王の実力を聞き、多くの弟子が王の下に集まったが、あまりに完成された王の武術を体得することは困難を極めた。 
 そのような中、姚宗勲は、刻苦研鑽する中、自らの理解の下、王の武術の本質を捉え、站椿、試力、推手などの様々な訓練方法を編み出していった。そして、王から衣鉢伝人と指名される比類なき実力を会得するに至った。
 王の一番弟子であり、師範代であった姚は、意を練ることを中心とした練功法を中心として指導した。王の武術は、いつしかその本質から、意拳と呼ばれるようになった。
 これが今に伝えられる意拳である。今現在、姚の直接の弟子を中心として、意拳は更に発展しており、その弟子の性格を反映し、新たなる風格が生まれている。 
 

ホームにもどる